リフォーム費用を安くするための方法
- 既存の部分を活用する
- 自分でできる部分はDIY
- リフォームの補助金制度を使う
- オフシーズンにリフォームを依頼する
- 設備や素材のグレードを下げる
既存の部分を活用する
リフォームの際に、すべての和室要素を取り除くのではなく、既存のものを上手に活用することで費用を抑えられます。例えば、畳の上にフローリングカーペットやタイルカーペットを敷くだけで、床を完全に張り替える費用を削減できます。
また、障子の枠を生かして窓に変えるなど、既存の和風建具を利用することで大幅にコストダウンできることがあります。
以下は基本的に業者に依頼することを前提とした内容ですが、DIY(自分で行うリフォーム)で対応できるリフォームも一部含まれています。
床のリフォーム
畳は洋室のフローリングとは異なりますが、畳を撤去して新たにフローリングを敷くと高額にります。そのため、以下のような工夫で費用削減ができます。
- 畳の下地を活用する
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畳の下地となる床の状態が良好であれば、そのままフローリング材を貼ることで床の作業費を削減できます。
- 薄いフローリング材を使う
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厚手のフローリング材よりも、薄いフローリング材を選ぶことで施工費を抑えることができます。最近では、畳の上に直接敷ける床材もあります。
襖や障子のリフォーム
襖や障子を完全に撤去して新たなドアや窓に置き換えると、費用が増える原因になります。既存の襖や障子を工夫して洋室風にアレンジすることで、安くリフォームできます。
- 襖のリメイク
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襖の表面に洋風の壁紙やシートを貼り付け、洋室の雰囲気に合わせます。これにより新たな建具を購入せずにコストを削減できます。襖の表面に貼るだけでおしゃれな引き戸やクローゼットのような雰囲気を演出できます。
- 障子のリフォーム
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障子や襖を撤去し、既存の枠をそのまま利用して、洋風の引き戸やドアに交換することで、和の要素を完全に排除し、モダンで明るい雰囲気を演出できます。
洋風引き戸用のレールは、上部と下部に設置されており、特に下部のレールが重要です。重さを支えるために、頑丈で滑らかな動作が可能なレールに変えます。
天井や壁のリフォーム
和室特有の木目調の天井や壁を活かすことも、費用削減になります。
- 天井のリフォーム
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天井の木材がしっかりしている場合、そのまま活用しつつ、壁紙で洋室風に仕上げることで費用を抑えられます。
- 塗装や壁紙
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和室の壁は砂壁や土壁が多いですが、これを全部撤去して新しい壁を作るのではなく、既存の壁の上に石膏ボードを貼って塗装したり、洋風の壁紙を貼るだけで印象が大きく変わります。
押し入れのリフォーム
押し入れを撤去してクローゼットに変えるのは費用がかかります。既存の押し入れを活用して、収納スペースを工夫する方法もあります。
- 押し入れ外部のリフォーム
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押し入れを撤去して新たにクローゼットを作るのではなく、既存の押し入れをのドアを洋風に変更したり、スライドドアにするなどの変更を行うことで、費用を抑えられます。
- 押し入れ内部のリフォーム
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棚やハンガーパイプなどの収納設備を追加する作業は業者に依頼しつつ、あえて高価な収納システムを選ばず、シンプルな設計にすることで費用削減が可能です。
自分でできる部分はDIY
プロの業者に依頼すると、材料費だけでなく施工のための人件費も必要になります。特に職人の技術料は高いので、自分で施工できる部分をDIYで行うことで、リフォーム費用を大幅にカットできます。
例えば、畳をフローリングに変えるだけでも、プロに頼むと数万円から数十万円かかることがありますが、フローリングパネルを自分で敷くだけなら数千円から始められる場合もあります。
材料を自由に選べる
ホームセンターやネットで購入できるフローリング材や壁紙、塗料などは、業者が使用するものよりも安く、予算に応じて選ぶことができます。
自分のペースでできる
DIYの最大のメリットは、自分のペースで段階的にリフォームを進められることです。すべてを一度に行う必要がなく、まずは壁紙だけ変える、次に床を変えるといったように、少しずつ改修することで一度に大きな費用をかける必要がありません。
DIYが適しているリフォームの例
- 壁紙の貼り替え
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壁紙を貼り替えることは、比較的簡単でDIY初心者にも向いています。市販の壁紙用接着剤やシール式の壁紙なども手軽に手に入ります。特に、和室の砂壁や土壁を洋室風に変えるためには、下地処理が必要ですが、こうした作業も自分で行うことができます。
- フローリングの施工
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畳を撤去してフローリングに変えるのもDIYの典型的なリフォームです。クリック式のフローリング材を使えば、特別な工具や技術がなくても設置可能です。床下の断熱材や防音材を使うこともでき、性能を上げることができます。
- 襖や障子の変更
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襖や障子は洋風の扉やカーテンに変更することで、部屋の印象が一気に変わります。これらもDIYで行うことができ、手軽に洋室らしい雰囲気に変えることが可能です。
- 照明やカーテンの取り付け
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和室の特有の天井照明を、洋室風のダウンライトに変更することもDIYで可能です。電気工事を伴わない簡単な取り付け作業なら、自分で行うことで費用を抑えられます。
DIYは職人の仕上がりと比べてどうしてもクオリティが劣る場合があります。特に細かい仕上げや、技術が要求される壁の角や床の段差調整などは難しく、仕上がりに差が出ることがあります。
綺麗に仕上げたい箇所はプロに任せるという方法もあります。
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リフォームの補助金制度を使う
リフォームに使える補助金は、国や地方自治体によって提供されています。これらの補助金は、主に環境に配慮した省エネ改修やバリアフリー化、耐震補強といった特定の条件を満たすリフォームに適用されます。
以下に代表的な補助金制度を紹介します。
- 住宅省エネ2024キャンペーン
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- 子育てエコホーム支援事業【国土交通省】
- リフォームについては、子育て世帯・若者夫婦世帯以外も対象です。
- 先進的窓リノベ2024事業【環境省】
- 給湯省エネ2024事業【経済産業省】
- 賃貸集合給湯省エネ2024事業【経済産業省】
- 子育てエコホーム支援事業【国土交通省】
- 長期優良住宅化リフォーム推進事業【国土交通省】
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既存住宅の長寿命化や省エネ化等に資する性能向上リフォームや子育て世帯向け改修等に対して支援する事業です。
※(5月14日)「評価基準型」は予算が上限に達したため、交付申請受付が終了しました。 - 次世代省エネ建材の実証支援事業【経済産業省】
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経済産業省が実施する既存住宅の省エネ改修を促進するための補助金制度です。
- 既存住宅における断熱リフォーム支援事業【環境省】
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省エネ効果(15%以上)が見込まれる高性能建材(断熱材、ガラス、窓、玄関ドア)を用いた住宅の断熱リフォームに対して支援する事業です。
- 子育て支援型共同住宅推進事業【国土交通省】
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分譲マンション及び賃貸住宅を対象とした、事故の防止や防犯対策などの子供の安全・安心の確保に資する住宅の新築・改修等に対して支援する事業です。
- 地方公共団体の補助制度
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各自治体でも独自のリフォーム補助金制度を設けています。これらの制度は地域のニーズや政策目標に応じて、対象となる工事の内容や補助金の金額、申請条件などが異なります。
オフシーズンにリフォームを依頼する
一般的に気候が安定している春や秋(2月〜4月、9月〜11月)はリフォームや新築の需要が多く繁忙期にあたります。この時期は業者のスケジュールが埋まりやすく、費用が高くなる傾向があります。
一方、閑散期は5月下旬から7月の梅雨時期、真夏の8月、そして真冬の1月です。この時期は気候の影響や長期休暇(お盆や年末年始)などで工事が少なく、業者も仕事が少ないため費用が抑えられることが多いです。
価格交渉がしやすい
閑散期は業者にとって仕事が少ないため、仕事を確保するために値引き交渉に応じてくれる可能性が高くなります。特に梅雨や真冬の時期は外装工事が少ないため、工事をお願いする側が有利に交渉できます。
交渉で最も重要なのはお互いに納得できる「落とし所」を見つけることです。
- 最低限の予算を明確にする
- 工事内容の優先順位を決める
- 追加オプションや保証を交渉材料にする
過度に「今は仕事が少ないでしょ?」と強調しすぎないように注意しましょう。価格交渉に応じてもらうためには、あくまでお互いにとって「利益がある取引」であることを意識させることが重要です。
例えば、「スケジュールに余裕がありますので、もう少し値引きしていただけるなら、すぐにお願いしたい」といった形で交渉します。
優秀な職人を確保できる
繁忙期には人手不足になり、経験の浅い職人が工事を担当することもあります。閑散期であれば、熟練した職人が丁寧に作業を行ってくれることが期待できます。
工事がスムーズに進む
繁忙期には商品の欠品や職人のスケジュールの都合で工事が遅れることがありますが、閑散期ではその心配が少なく、工期が予定通り進むケースが多いです。
モデルチェンジ期を狙って安くする方法
リフォームの際に使われる住宅設備(キッチンや浴室など)は、2月~4月に新商品が発表されるため、これに伴い旧モデルが値引きされることがあります。
リフォームを考える場合、モデルチェンジ期を狙って旧モデルの在庫処分セールを活用すると、設備費用を安く抑えることができます。
設備や素材のグレードを下げる
グレードを下げると費用は安くなりますが、使い勝手や品質が大きく低下しないよう注意が必要です。
断熱材や窓などの建物の性能に関わる部分は、メンテナンス費用や光熱費の増加につながるため、業者と相談しながら決めましょう。
水回り設備のグレードダウン
キッチンや浴室、トイレなどの水回り設備は高価格帯から低価格帯まで幅広くあります。ハイテク機能が搭載されたモデルを選べば価格が跳ね上がりますが、標準的な機能の一般的なモデルに変更することで、費用を抑えられます。
トイレなら自動洗浄や温水便座などの高機能モデルから、シンプルなモデルにするだけで数万円の費用削減が可能です。
ネクストハウスグループ:【注文住宅】”OK”なコストダウンと”NG”なコストダウン14個
フローリングや壁材のグレードダウン
- フローリング
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高級な無垢材のフローリングは1平方メートルあたり1万円以上することがありますが、合板(複合フローリング)にすると約3,000〜5,000円/㎡程度で済みます。面積によって異なりますが、たとえば20畳(約33平方メートル)の部屋では約20万円〜30万円の削減が可能です。
- 壁材
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タイル仕上げの壁材や高級クロスは1平方メートルあたり5,000円以上かかる場合がありますが、一般的なビニールクロスに変更すれば約1,500〜3,000円/㎡程度に。
こちらも面積次第ですが、数万円〜10万円程度の節約になります。
外装の塗装や屋根材
- 外壁塗装
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高耐久の塗料(フッ素系やシリコン系)を使用すると60万円〜180万円かかることがありますが、アクリル系塗料を選ぶと約40万円〜100万円程度に抑えることが可能です。概ね20万円〜80万円程度の費用削減になります。
- 屋根材
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高級な屋根材(ガルバリウム鋼板や天然石のスレート)は100万円〜300万円以上する場合もありますが、アスファルトシングルや安価な金属屋根材を選べば50万円〜150万円程度で済みます。この場合、50万円〜100万円程度削減できます。
リフォームの相見積もりは3社から取る
- 相場観がつかめる
- 比較検討がしやすい
- それぞれの業者の特徴や強みが分かる
3社のメリット 1
相場観がつかめる
リフォームには定価がなく、工事内容や使う材料によって会社によって費用が変わります。初めての人には何が「適正価格」なのかが分かりづらいです。
3社から見積もりを取ることで、同じ工事内容でも価格帯の違いが浮き彫りになり、相場を把握することができます。相場観をつかむことで、過度に高い業者を避けたり、逆に極端に安い業者に疑問を持てるようになります。
3社のメリット 1
比較検討がしやすい
同じリフォームでも、業者ごとに提供される工事の範囲や使用材料、アフターサービスなどが異なります。依頼の際に、見積もりの内容を揃えると比較がしやすくなります。
2社の場合は最低限の比較はできますが、選択肢が少なく、良い条件が見つけられません。 逆に、4社以上の場合は比較検討に時間がかかり、混乱してしまう可能性があります。
それぞれの業者の特徴や強みが分かる
業者によって得意とする分野や、こだわるポイントが異なります。たとえば、A社は高級な素材を使ったリフォームが得意である一方、B社はコストパフォーマンスを重視しているかもしれません。また、C社はデザインに強みがあるかもしれません。
相見積もりを取ることでそれぞれの業者がどのような強みや特色を持っているのかが分かり、ニーズに合った業者を見つけやすくなります。
- 工事内容、使用材料、保証期間など、比較したい項目を明確にしておく
- 見積もり書の内容をしっかりと確認し、不明な点は必ず質問する
- ホームページや口コミサイトなどで、業者の実績や評判を調べる
- 見積もりだけでなく、業者の対応や説明なども総合的に判断する
和室から洋室のリフォームが高い理由
- 「和→洋」は構造の変更が大きい
- 断熱・遮音の改善が必要
- 配線や設備の再設計が必要
和室から洋室へのリフォームが、通常のリフォームよりも高額になる理由は和室の構造や素材が洋室と異なる部分が大きいです。
「和→洋」は構造の変更が大きい
和室は日本特有の構造やデザインが施されているため、洋室に変える際には大幅な構造変更が必要です。たとえば、畳を完全に撤去してフローリングへの変更、押し入れをクローゼットに作り直すには、床材や収納スペース全体をリフォームする必要があります。
さらに、和室には「床の間」や「襖(ふすま)」といった和の要素があり、これらを撤去して新たなデザインを取り入れることで、施工費用がさらに増えることがあります。
断熱・遮音の改善が必要
和室は木造構造が多く、断熱や遮音性能が洋室に比べて劣ることがあります。洋室へリフォームをする際に、壁や床、天井に断熱材を追加したり、必要に応じて防音処置を行う場合があります。これにより、材料費や施工費が増加します。
配線や設備の再設計が必要
和室の照明は天井中央に1つということが多いですが、洋室ではより複雑な配線になっている場合があります。エアコンの設置やコンセントの追加も必要となり、これがリフォーム費用に影響を与えます。
リフォーム費用の相談はFPに依頼する
リフォームには、まとまった資金が必要となります。その支払いにローンを使うのか自己資金を使うのか、リフォーム後の生活にどんな影響があるかも重要です。
FP(ファイナンシャル・プランナー)は、家計全体のキャッシュフロー(現金の流れ)を試算して、リフォーム費用が家計にどのように影響するか、無理のない返済計画を立てる方法についてアドバイスしてくれます。
リフォームのお金に関する相談ができる
- 無理のない返済計画を一緒に考えてもらいたい
- リフォーム費用は自己資金で賄うべきか、ローンを組むべきか
- 利用可能な税制優遇措置について詳しく教えてもらい活用したい
- 返済期間や金利による将来的な支払い総額は、どのくらいになるのか
- リフォームの支払いによって、今後の生活費や老後資金とのバランスは取れているか?
- さまざまな条件下での返済額や、繰り上げ返済をした場合のシミュレーションをしてもらいたい
リフォームに関するお金の相談は、各家庭や個人の状況に大きく左右されるため、一般的なアドバイスだけでは不十分です。実際にFPに相談する際は、自分自身の状況にもとづいたアドバイスが非常に重要です。
リフォーム以外のお金の相談も可能
FPの業務範囲は家計の管理から資産運用、保険の見直し、税金対策、老後の資金計画、相続まで、お金に関するあらゆる分野のアドバイスを提供しています。
- 老後資金の計画
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老後は年金だけでは不十分な場合が多いので、退職後の生活費や医療費、長期ケアの費用を計画的に準備するためのアドバイス。
- 年金の試算:公的年金や企業年金の見通しをもとに、老後にどれだけの収入が入るか計算。
- 退職後の生活:生活費をどのように節約し、どれだけの貯蓄が必要か。
- iDeCoや新NISA:税制優遇がある積立型の金融商品を活用した老後資金の準備。
- 資産運用と投資の相談
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初心者でも安心して資産運用ができるよう、リスクを分散するためのポートフォリオの組み方や、具体的な投資商品(株式、債券、投資信託など)の選定についてアドバイス。
- リスク管理:リスクの取り方や分散投資の方法。
- 長期の投資計画:将来の資産形成に向けた具体的な投資の方法。
- 保険の見直し
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例えば、過剰な保険料を支払っている場合には無駄な保険を解約し、逆に保障が不足している場合には適切な保険商品を紹介します。
- 生命保険の見直し:今のライフステージに合った保険内容に更新。
- 医療保険やがん保険:今後のリスクに備えた適切な保障内容の提案。
- 相続や贈与の相談
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相続税の節税対策や遺産分割の方法、贈与税の負担軽減策などのアドバイス。法律や税金に詳しいFPなら遺産トラブルを避けるためのサポートも行っています。
- 相続税対策:財産の相続をスムーズに行うための対策。
- 生前贈与:贈与税の基礎控除を活用した贈与の計画。
- 税金対策
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年末調整や確定申告のサポート、投資によるキャピタルゲインの税金対策、所得税の軽減方法、さらにはふるさと納税や医療費控除など、さまざまな節税策を提案。
- 節税の方法:ふるさと納税や医療費控除、iDeCoやNISAの活用。
- 所得税や住民税の軽減策:確定申告での控除を最大限に活用。