ローンを一つにまとめると返済がラクになる理由
複数のローンを一つにまとめて管理する方法は 「おまとめローン」 と呼ばれています。
おまとめローンとは、複数の金融機関やカード会社からの借入(例:クレジットカードのリボ払いやキャッシング、消費者金融からの借入など)を一つのローンにまとめ、返済負担を軽減する目的のローン商品です。
- 管理がシンプルになる
- 利息の総額が減る
- 毎月の返済額が減る
- 精神的なストレスが少なくなる
借金をまとめることのメリット・デメリットを解説(三井住友銀行)
返済の管理が簡単になる
複数のローンがあると、それぞれ異なる返済日や利率、返済金額が設定されていることが多いです。そのため、支払い漏れや支払いが遅れてしまうことがあります。
例えばクレジットカードのリボ払い、キャッシング、銀行のマイカーローンなど、すべての返済日がバラバラになる場合、支払日を把握し続けるには手間がかかります。
おまとめローンを利用してローンを一本化すると、返済日が1つに統一されるため、毎月の支払いを忘れにくくなり管理がシンプルになります。
利息の総額が減る
おまとめローンの大きなメリットの一つが、利率の低さです。複数のローンを借りている場合、それぞれのローンには異なる利率が設定されています。
特に消費者金融のキャッシングやクレジットカードのリボ払いは高金利(年利15%〜18%程度)で、長期間借りるほど利息が膨らんでいきます。
会社名 | 金利範囲(年利) |
---|---|
アイフル | 年3.0%〜18.0% |
アコム | 年3.0%〜18.0% |
プロミス | 年4.5%〜17.8% |
SMBCモビット | 年3.0%〜18.0% |
レイク(旧レイクALSA) | 年4.5%〜18.0% |
おまとめローンは銀行系のローンが多く、金利が低い場合が多いです。例えば消費者金融で15%の金利で利用しているローンを、年利5%〜10%といった条件で借り換えることができれば、支払う利息の総額が大幅に削減されます。
商品名 | 金利範囲(年利) |
---|---|
三菱UFJ銀行 カードローン バンクイック | 年1.4%〜14.6% |
三井住友銀行 カードローン | 年1.5%〜14.5% |
楽天銀行 スーパーローン | 年1.9%〜14.5% |
東京スター銀行 スターワン乗り換えローン | 年9.8%〜14.6% |
住信SBIネット銀行 カードローン | 年1.590%〜14.790% |
ただし、金利が下がるかどうかは、利用者の信用状況(クレジットスコア)やおまとめローンの契約条件によって異なるため、事前に比較検討が必要です。
毎月の返済額が減る
おまとめローンでは、現在利用しているローンよりも返済期間を延長することができます。たとえば、現在複数のローンを3年で返済する予定だったものを、おまとめローンで5年に延長することで、月々の返済負担を軽くすることができます。
ただし、返済期間が延びると総返済額(元本+利息)は増える可能性があるため、月々の返済額が軽くなる一方で、返済額が増えてしまう点に注意が必要です。
借金一本化で毎月の返済は減る?おまとめローンのデメリットや借金を減らす方法(弁護士法人響)
精神的なストレスが少なくなる
複数のローンを抱えていると返済が常に頭を離れないため、精神的なストレスが大きいです。支払日を忘れないように注意するだけでなく、借金の総額が徐々に増えていくことへの不安もつきまといます。
借金を一つにまとめると、返済の見通しが立ちやすくなり、心理的な負担が軽くなります。また、一本化されたローンは毎月決まった金額での返済となるため、家計管理もしやすくなります。
借金返済のストレスにもう耐えられない!対処方法と相談窓口を紹介(アディーレ法律事務所)
おまとめローンの注意点
- 総支払額が増える可能性がある
- 一本化するのは高金利の返済のみ
- 油断して新しい借金を作ってしまう
- 手数料や諸費用がかかる場合がある
総支払額が増える可能性がある
おまとめローンを利用すると、月々の返済額は減りますが、返済期間が延びることで総支払額が増加することがあります。例えば、金利が低くなっても返済期間が長くなれば、その分利息の総額が増えるリスクがあります。
- 返済期間を必要以上に延ばさない
- 繰り上げ返済を活用する
- 定期的に金利の見直しを行う
1本化するのは高金利の返済のみ
おまとめローンの目的は、高金利の借入を低金利にまとめて、利息負担を軽減することです。例えば以下のようなローンを組んでいるのであればクレジットカードリボ払いと消費者金融のキャッシングの2つを1本化します。
住宅ローン | ・年利1.0% ・残高2,000万円 ・返済期間20年 |
---|---|
自動車ローン | ・年利3.0% ・残高200万円 ・返済期間5年 |
クレジットカードリボ払い | ・年利18% ・残高50万円 |
消費者金融のキャッシング | ・年利15% ・残高30万円 |
低金利のローン(住宅ローン、自動車ローンなど)をおまとめローンに含めると、かえって金利が上がり、総返済額が増えてしまいます。例えば、住宅ローンを年利1.0%で借りている場合、これをおまとめローンにして年利3.0%にすると、同じ借入額でも支払う利息が3倍になります。
油断して新しい借金を作ってしまう
ローンを一つにまとめて月々の支払いが減ると、心理的な余裕が生まれ新たに借入をしてしまう危険があります。結局また複数のローンを抱えることになり、状況が悪化することも考えられます。
借入をまとめた後は、新規の借入を控える自己管理が重要です。
- キャッシング機能を一時停止・解約する
- 家計簿アプリで毎月の支出を管理する
- 毎月少額でも貯蓄をする
借金癖や借金依存症の人の対応方法とは?弁護士が解説!(弁護士法人 東京新宿法律事務所)
手数料や諸費用がかかる場合がある
おまとめローンには、手数料や諸費用が発生する場合があります。また、場合によっては保証人が必要だったり、審査が厳しいケースもあるため、まとめる際の初期費用が意外と高くつくことがあります。
- 事前に諸費用の有無を確認する
- シミュレーションを依頼する
- 契約前に説明書類をしっかり読む
おまとめローンを検討する際のチェックリスト
- 新たな借入をしない意思を持つ。
- 返済期間が長くなりすぎないよう調整する。
- 現在の金利とおまとめローンの金利を比較する。
- 手数料や諸費用を確認し、全体の費用を把握する。
おまとめローンが向くケースと向かないケース
おまとめローンは、うまく活用すれば返済の負担を軽くするのに有効ですが、必ずしもすべてのケースで有効というわけではありません。利用する際には自身の状況に適しているかを慎重に見極める必要があります。
- 向いているケース
-
高金利のローンを複数抱えている場合
クレジットカードローンや消費者金融からの借入が多い場合、低金利のローンにまとめることで利息負担が減ります。
管理が複雑になっている場合
複数の金融機関から借り入れをすると、返済日や返済額が異なり管理が面倒になります。おまとめローンを利用して一本化することで管理が簡単になります。
- 向いていないケース
-
すでに低金利のローンが多い場合
金利が低い住宅ローンや自動車ローンなどをまとめても、利息の削減効果が薄いため、あまりメリットがありません。
返済期間が短い場合
残りの返済期間が短い場合、おまとめローンで期間を延ばすと総支払額が増える可能性があります。
おすすめの「おまとめローン」
おまとめローンを使う場合、以下の3つの金融機関がおすすめです。それぞれの特徴とおすすめ理由を詳しく解説します。
- 住信SBIネット銀行「フリーローン」
- 東京スター銀行「スターワン乗り換えローン」
- デイリーキャッシング「おまとめローン」
住信SBIネット銀行「フリーローン」
住信SBIネット銀行の「フリーローン」は、資金使途が自由で、まとまった資金を必要とする際に利用できるローン商品です。毎月27日に住信SBIネット銀行の円普通預金口座から自動引落しで返済が行われます。
余裕があるときには一部繰上返済も可能で、手数料は無料です。
- 年利3.875%~12.1%、比較的低金利での借り換えが可能
- 50万円までは年収証明が不要
- 申し込みから契約までインターネットで完結
フリーローンの利用には、住信SBIネット銀行の口座開設が必要です。口座をお持ちでない場合は、フリーローン申込時に同時に口座開設の手続きを行うことができます。
東京スター銀行「スターワン乗り換えローン」
東京スター銀行の「スターワン乗り換えローン」は追加の借入はできず、完済に向けた返済専用のローンとなっています。正社員、契約社員、派遣社員などの給与所得者で、年収200万円以上の方が対象で比較的借りやすい商品です。
契約期間は一律10年で、繰り上げ返済も可能です。
- 事務取扱手数料、繰上返済手数料は不要
- インターネットで手続きが完結し来店不要
- 手続き費用や保証人が不要
東京スター銀行のおまとめローンのお借り入れ額は最大1,000万円、複数のローンをひとつにまとめて確実な完済が可能なローンです。
デイリーキャッシング「おまとめローン」
デイリーキャッシングのおまとめローンは、返済期間は最長10年(12回から120回)で、元利均等払い方式を採用しています。デイリーキャッシングは、満20歳以上で定期収入のある方が利用可能で、担保や保証人は不要です。
貸金業法に基づくおまとめローンであるため、総量規制の例外として年収の3分の1を超える借入も可能です。ただし、追加の借入はできず、返済のみが対象となります。
総量規制とはどんな仕組み?対象外で借入れできる3つの方法も解説(りそな銀行)
- 担保や保証人が不要
- 年収の1/3を超える借り入れも可能
- 大口の融資でも安心して利用できる
申し込みには本人確認書類、直近2ヶ月分の収入証明書が必要で、満20歳以上で安定した収入があることが条件です。
判断に迷ったらFPに相談する
- 見落としがちな点も指摘してくれる
- 現状の家計全体を見直してもらえる
- 他の選択肢を提案してもらえる
- 無料相談を活用できる
見落としがちな点も指摘してくれる
ファイナンシャルプランナーは、金利や返済期間の延長が総支払額にどのような影響を与えるかをシミュレーションし、具体的な数値で説明してくれます。おまとめローンが本当に支払いの軽減になるのか、それとも逆に負担が増えるのかを正確に判断します。
自分一人では見落としがちな点も、専門的な視点からしっかりと指摘してくれます。
現状の家計全体を見直してもらえる
おまとめローンを利用しても家計の問題が解決しなければ、再び借金に頼る恐れがあります。ファイナンシャルプランナーは、単にローンを整理するアドバイスだけではなく、家計全体の収支バランスを見直し、無理のない返済計画を立てるサポートをしてくれます。
収入や生活費、将来の出費を試算しながら、再度借金に苦しむことがないよう家計管理のアドバイスもします。
中立的な立場からアドバイスを受けられる
銀行や消費者金融の担当者は、基本的に自社の商品を売ることが目的です。そのため、おまとめローンのメリットだけを強調しがちです。
ファイナンシャルプランナーは中立の立場で相談に応じるため、特定の金融機関に偏ることなく、より公正なアドバイスをします。相談者が焦って不利な条件で契約してしまうリスクを減らし正しい決断ができます。
無料相談を活用できる
リクルートが運営する「保険チャンネル」では、ファイナンシャルプランナー(FP)による無料相談サービスを提供しています。このサービスでは、保険の見直しや家計の改善、老後資金、教育資金など、さまざまなお金に関する悩みを何度でも無料で相談できます。
FPは中立的な立場から、個々の状況に合わせた最適なアドバイスを行い、将来の貯蓄やお金に関する不安の解消をサポートします。相談は対面やオンラインで受け付けており、全国各地で利用可能です。
詳細や予約は、保険チャンネルの公式ウェブサイトから行えます。
ローン返済がラクになる
\何度でも無料で相談できる/
借金を1本化するまでの流れ
金融機関や消費者金融など、多くの機関が「おまとめローン」を提供しています。各社の金利、返済条件、手数料などを比較し、自身に最適な商品を選びます。
金利が現在の借入先より低いか、返済期間が適切かを確認することが重要です。
インターネット、電話、店舗窓口などから申し込みを行います。申し込み時には、以下の書類が必要となる場合があります。
- 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
- 収入証明書類(源泉徴収票、給与明細書など)
- 他社の借入状況がわかる書類
申し込みが完了すると、金融機関による審査が行われます。審査では以下の点がチェックされます。
- 申込者の年収や勤務先
- 現在の借入状況
- 信用情報(クレジットスコア)
- 返済能力
審査は数日から1週間程度で結果が通知されます。銀行系のおまとめローンは審査が厳しく、消費者金融系の方が比較的審査が通りやすいと言われていますが、その分金利が高い場合もあります。
審査に通過した場合、正式に契約手続きを行います。この際、契約書へのサインや捺印が必要です。契約内容についてはしっかりと確認し、疑問点があれば担当者に質問しましょう。
契約が完了すると、融資が実行されます。この融資金をで現在の借入先に返済を行い、複数の借入を一本化します。
おまとめローンの融資が実行されたら、新たな返済が始まります。これまで複数の返済日があった場合でも、一本化によって月に1回の返済のみとなり、管理が簡単になります。
金利が低くなっている場合、毎月の返済負担も軽減されます。
おまとめローンの審査基準や流れ、通過のポイントを解説(JCBカード)
おまとめローンの種類と特徴
- 銀行系おまとめローン
- 消費者金融系おまとめローン
- 労働金庫(ろうきん)系おまとめローン
- 信販会社系おまとめローン
どのおまとめローンを使うべきかは、ニーズや状況に応じてそれぞれ選択肢が異なります。一般的に、低金利を重視するなら銀行系やろうきん系、審査の通りやすさを重視するなら消費者金融系や信販会社系が向いています。
銀行系おまとめローン
銀行系のおまとめローンは金利が低く設定されており、返済期間も柔軟に設定できるため、多重債務の解消に有効です。
- 三菱UFJ銀行カードローン「バンクイック」
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三菱UFJ銀行の「バンクイック」は、金利が年1.8%~14.6%で、最大500万円までの借入が可能です。口座を持っていなくても申し込みができ、最低返済額が月1,000円からと利用しやすい点が特徴です。
- 東京スター銀行「スターワン乗り換えローン」
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東京スター銀行の「おまとめローン」は、最大1,000万円までの借入が可能で、金利は年9.8%、12.5%、14.6%のいずれかが適用されます。契約社員や派遣社員の方でも利用できる点が特徴です。
- 三井住友銀行 おまとめローン premium/plus
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三井住友銀行のおまとめローンpremiumは、三井住友カード会員限定の低金利・高限度額のおまとめローンです。大きな借入額を一つにまとめ、管理しやすくします。
おまとめローン plusは、少額から中程度の借入を対象とし、返済負担を軽減するためのローンです。
消費者金融系おまとめローン
消費者金系は銀行系と比較して審査が通りやすく、審査が早いのが特徴です。収入が安定していない方や、既に他社からの借入が多い方でも審査に通るため、信用力に自信がない場合の選択肢になります。
- デイリーキャッシング「おまとめローン」
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デイリーキャッシングは50万円から最大600万円までの借り換えに対応しており、多額の借り入れを一本化したい方に適しています。フリーローンや不動産担保ローン、ビジネスローンなど、多様なローン商品を取り揃えています。
申し込み方法として来店、電話、インターネットの3つの手段があります。
- アコム「借換え専用ローン」
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アコムの「借換え専用ローン」は、最大300万円までの借入が可能で、金利は年7.7%~18.0%です。返済期間は最長12年3か月で、他社の借入をまとめて一本化できます。申込から契約までWebで完結し、最短即日での融資も可能です。
- アイフル「おまとめMAX」
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アイフルの「おまとめMAX」は、最大800万円までの借入が可能で、金利は年3.0%~17.5%です。返済期間は最長10年で、他社の借入をまとめて一本化できます。申込から契約までWebで完結し、最短即日での融資も可能です。
労働金庫(ろうきん)系おまとめローン
労働金庫(ろうきん)は、労働者や生活協同組合の組合員を対象とした非営利の金融機関で、各地域ごとに独立した組織として運営されています。各ろうきんでは複数の借入を一本化し、返済負担を軽減するための「おまとめローン」を提供しています。
- 北海道労働金庫(北海道ろうきん)
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北海道ろうきんでは、フリーローンを通じておまとめローンの利用が可能です。金利は年5.7%で、最大500万円までの借入が可能です。
- 中央労働金庫(中央ろうきん)
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中央ろうきんのフリーローンは、変動金利で年5.825%~6.325%、固定金利で年7.0%~7.5%となっており、最大500万円までの借入が可能です。結婚費用や旅行費用など、幅広い資金使途に利用可能で、他社ローンの借換えや複数ローンのおまとめにも利用できます。
- 四国労働金庫(四国ろうきん)
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四国ろうきんの「借り換えローン【おまとめ専用ローン 一本太助α】」は、住宅ローンを利用中・お申込みの方に、住宅ローン以外の他社の借入れを四国ろうきんでおまとめします。金利を半減して、返済を一本化させることで、返済の負担が軽減できます。
信販会社系おまとめローン
信販会社はクレジットカードの発行や個人向けローンを提供しており、銀行系のおまとめローンと比較して審査が通りやすく、利用しやすい点が特徴です。
- セゾンカード「メンバーズローン」
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セゾンカードが提供する「メンバーズローン」は、最大300万円までの借入が可能で、金利は年10.0%~15.0%です。申込時の年齢が20歳以上80歳以下で、安定した収入がある方が対象となります。来店不要で手続きが完了し、最短即日での融資も可能です。
- ライフカード「おまとめ専用サポートローン」
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ライフカードの「おまとめ専用サポートローン」は、最大500万円までの借入が可能で、金利は年12.0%~16.5%です。申込時の年齢が26歳以上で、安定した収入がある方が対象となります。来店不要で手続きが完了し、最短7日での融資が可能です。
- ジャックス「プレミアビアージュ」
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ジャックスが提供する「プレミアビアージュ」は、最大500万円までの借入が可能で、金利は年6.0%~14.5%です。申込時の年齢が20歳以上60歳以下で、安定した収入がある方が対象となります。来店不要で手続きが完了し、最短即日での融資も可能です。